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今年、夏のはじまり

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 田んぼの真ん中で待つ。
もうすぐ福島からの電車が通る。
冷たい麦茶を飲みながらあと15分。
あの衝撃から少し時間がたって、ようやくこの場所にたどり着いた。
まだ少し苦しさが残るけど。
 あっさりと梅雨が明けてから毎日暑い日が続く。
「がんばろう」の春から「がんばって」夏を迎えた。

 忘れかけてたことや守りたいことなんか
記憶からゆっくりとここに集まる
~永井真理子「夏のはじまり」

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夏の思い出

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 常紋を訪れた人は多いだろう。
煙の量からすればもちろん冬がいいが、夏の暑さも忘れがたい。
 とりあえず三脚を立てて場所を確保する。
体力の消耗を避けるために日陰で休みたいのだが周囲には何もない。
しょうがなくて信号場の建物の陰で横になる。
それでも暑くて眠れない。
今思えば若さゆえ、か。
 通過時刻が近づいて自分の場所へ戻る。
立てておいた三脚は熱くて触れたものではなかった。
金華からの貨物が登ってきた。
写真も思いっきり露出アンダーだったけど。
 それもこれもいつしか遠い日の記憶。

緑もゆる

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 梅雨真っ最中の日。
今にも雨が落ちてきそうだ。
吾妻も安達太良も雲に隠れている。
草いきれで蒸すカーブの内側に立ってみた。

 なぜ、今日なのか。
なぜ、この場所なのか。
ちょっとだけ自問自答したがはっきりした答えは自分の中にはない。

 古くから知られた場所で、上下線が大きく離れている。
離れた上下線を割って高架線が伸びており、割とひんぱんに新幹線が駈けていく。
高校生の頃から知った場所だからここに来ること自体何のためらいもなかった。
特急電車、赤い交流機の牽く旧型客車。
ここに魅せられた人は多いだろう。

 いつの間にか近くの貯水池は周辺が整備されていたが、今日もウシガエルのユーモラスな鳴き声が聞こえる。
緑が濃い。
近くの畑ではとうもろこしやかぼちゃ、なすが作られている。
豊かな土地だ。

 カーブの内側で電車を写した。
しばらくぶりだ。
さすがにブレたけど。
デジ一眼じゃないからしょうがないな。
5カ月ぶりくらいかな。写したのは。
不思議に冷静な気持ち。
この間にすさまじいことがあったのだからもっと感激があると思ったのだけど。

 近くに古戦場がある。
石那坂。
トンネルの名前にもなっている。
歴史の中に顔を出す場所。
今日は誰もいないこともあって雰囲気は非常に落ち着いている。

 雨が降ってきた。
クルマに戻る。
 ここで小一時間過ごした。
草むらにも入ったから1.3マイクロシーベルト以上の放射能を浴びたと思う。
でも、だから何なのか。

 トンネルの入口の信号現示は青。
祈る。
避難してきた人、避難していった人、すべての人の気持ちの中に青信号が灯る日がくることを。